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2018年5月22日

SDGsが示すグローバルでの事業環境の変化

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは

 SDGsという単語を見かけることが多くなったが、それはSustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」と訳されている。SDGsは、国際連合(国連)が2015年9月に開催した「国連持続可能な開発サミット」において全会一致で採択した2030年までを期限とする17の目標と169のターゲットから構成されている。 SDGsの前身であるミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)は、発展途上国向けの開発目標であったが、SDGsは先進国を含む国際社会全体、すなわちグローバルの開発目標で、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指しており、企業もその一員であることを示している。

地球全体の取り組み

 国連総会でSDGsの採択後に発表された成果文書「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」*を見ると、冒頭に「このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である。」と記載されており、「地球」が入っていることに注視する必要があろう。 *http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf                    

 これまでステークホルダー**とは、企業の活動によって直接的・間接的に影響を受ける人々や団体など利害関係者のことを指し、具体的には、株主や経営者、従業員、金融機関、債権者、取引先、競合企業、顧客、地域住民、環境保護団体、税務当局、行政官庁などと定義されてきたが、最大のステークホルダーは地球であることを認識する時代になったことであろう。 **https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11832.html

企業の役割 SDG Compass                                                 

 国連はSDGsを達成する上で企業を重要なパートナーと位置づけでおり、GRI(Global Reporting Initiative)と国連グローバル・コンパクト、世界経済人会議(WBCSD)は、企業がいかにしてSDGsを進めていくかの指針として『SDG Compass』***をまとめている。 SDG Compassを見ると同指針は多国籍企業を対象として開発されたが、中小企業やその他の組織も同指針の使用を期待されている。企業は事業環境の変化に合わせていくことが成長のカギと言われているので、SDGsの17の目標を事業環境の変化を表すキーワードとして戦略に組み込んでいくことが大切な姿勢である。 *** https://sdgcompass.org/

2030年、あなたはいくつ?

 SDGsは2030年に向けた"長期"な取り組みであるが、SDGsが設定された2015年に小学校を卒業した"こども"は2030年に27歳になるわけで、これから地球で生きていく子孫に向けた大人の責任ととらえて、達成に向けて活動する必要がある。企業もゴーイングコンサーンとして長期に存在しつづけることが求められており、SDGsの達成に既に取り組んでいる企業を次回から見ていきたいと思う。

(株式会社ファイブ・シーズ代表取締役社長 越智義和)

http://www.fivecs.co.jp/

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