アナリストのつぶやき

2017年2月24日

貴社のIR活動は機能していますか?(第3回)

「機関投資家やアナリストと説明会などで接触回数を増やすには?」

IRパーソンの中には、こういった機関投資家・アナリストとの接触増をご自身の業務目標に設定しておられる方もいらっしゃるかもしれません。IR活動における情報の正しい発信や外部の見方の受信には、投資家との直接的なコンタクトに優るものはないため、です。発信ならばHPやニュースリリース、受信ならばアナリストレポートなどが、一般的な手法ということになりますが、いずれもマスを対象とした一方通行のツールでしかありません。表情を見ながらの双方向の会話には、そういった手法を大きく上回る効用があることは明らかでしょう。ただ、問題となるのはその接触をどうやって増やすか、です。これは前回のコラムとも共通するのですが、やはり大企業や相当の注目企業でない限り、アナリストからの取材依頼はなかなか来ないというのが実状かと想像します。そこで、前回は発信する内容に注目しましたので、今回はもう少しテクニカルな部分に焦点を当てて言及してみたいと思います。当然、これらも決して特効薬ではないということはご理解ください。

そもそも機関投資家・アナリストが何故、接触してこないのか、を考える必要があります(その発信内容や企業業績の影響についてここでは言及しません)。まずチェックすべきは、敷居が高くなっていないか、です。IR部隊への電話番号やメールアドレスは、しっかりとわかりやすい場所に明記されていますか? 例えば、短信には「問合せ先責任者」としてその方の名前と電話番号が記載されています。しかし、いくら積極的な金融マンでも、よく知りもしない会社に、ここに記載されている取締役宛てにいきなり電話をかける人はそう多くないでしょう。では、HPはいかがでしょうか? 多くは問合せメールフォームを設定していますが、それらは個人投資家向けの窓口といった印象で、機関投資家・アナリストにはなかなかピンとくるアクセスではありません。もちろん、絶対に会社訪問したいという固い決意があれば、それでもアクションを起こすものなのですが、「面白いかもしれないから覘いてみよう」といった段階ならば、もっと敷居の低い会社に行ってみようとなるのが現実でしょう。機関投資家・アナリストにとっての投資対象である上場企業は3,500社超もあり、敢えてその敷居の高い企業に固執する必要はないのですから。

決算説明会はどうでしょうか。企業とすれば、企業の魅力を伝えることもでき、IRパーソンと名刺交換できれば取材の敷居も下がる、と期待したいところです。しかし、決算説明会に多くの参加者が詰め掛けるというケースは実は限定的であり、特に時価総額の小さな会社では出席者確保だけでも一苦労という話を漏れ聞きます。では、その日程は果たして参加者を増やすように設定されていますか? 決算期は投資家もアナリストも一日に何社も説明会を梯子するのが普通で、説明会がバッティングする例も少なくありません。そういった日程においては、機関投資家やアナリストは「ちょっと覘いてみようか」という説明会には足を向けないはずです。説明会の時間設定も同様です。企業としてはじっくり時間をかけて説明したいところですが、参加者は出来る限り多数の説明会を廻り、早々に投資判断やレポートに着手したいというのが本音です。説明会はそれらに配慮した時間帯に設定されているでしょうか。

これらは小さい事のようですが、物理的制約を排除とするという観点で大きな意味があります。それでも接触回数が増えてこなければ、別の要因、例えば発信内容などに見直しの余地があるということかもしれません。次回は、「適時開示情報「書き方」の落とし穴」についてお話ししたいと思います。

(長井 亨)

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